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2017年5月30日 (火)

11 犬と楽しく遊ぶモッテ・コイを教える

犬と楽しく遊ぶモッテ・コイを教える

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マイロは持来訓練を生後3ヶ月くらいから始めました。この頃はまだ口が小さくて、テニスボールでもくわえることができなかったので、木製の小さなアレイを投げて持って帰る事から始めました。写真は無事にモッテとコイの2つの声符に従いアレイを持ち帰ったマイロ。 

一連の連載の中で何度か書いていますが、ジャックラッセルテリアの様に猟欲の強い犬、体力旺盛な犬は、本当は東京の様な都市部で飼うのには向かない犬種だと思います。こういう犬は、毎日欠かさず運動させ、体力を消耗させておかないとストレスがたまり、いたずらが激しくなる程度ならともかく、最悪攻撃的な性格が助長され、咬傷事故の原因にもなりかねないからです。そんな風に、予想を上回るほど活発なジャックラッセルテリアを飼ってしまい、日々の運動量確保に苦労されている飼い主さんにお勧めなのが、リトリーブ、つまりボールやフリスビーの様なゲーム(犬にとっての獲物)を投げて、飼い主の手元に持ち帰らせる「持来」訓練です。散歩やランニングだと、飼い主が一緒に歩いたり走ったりしなくてはなりませんが、持来訓練なら、飼い主は定位置にいて、犬にゲームを投げてやれば良く、投げたゲームを繰り返し犬に持ち帰る様に命じるだけで、かなりの運動量が確保出来ます。またリトリーブはジャックラッセルテリアが強く持っている猟欲を満たす運動としても最適です。

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持来訓練を始めた当初、マイロはゲームをきちんと持ち帰りはしましたが、僕になかなか返してくれませんでした。そこでモッテとハナセの訓練を別々に行う事にしました。

 

ただし、ジャックラッセルテリアに持来を教える場合は、最低限「呼び戻し」を教えておかないと、投げてもらったボールをくわえたまま、どこまでも走って行って帰って来ないと言う事態もあり得ますので、以前の記事を参考に呼び戻しの訓練は確実にしておいてください。

それと猟欲が強すぎる犬の場合、ゲームをくわえる事と、放す事を事前に教えておいた方が、訓練も順調に進むと思います。持来訓練が入ると、応用で隠した物や隠れた人を見つける「捜索訓練」や、嗅跡で人や獲物を追う「追跡訓練」なども可能になります。家庭犬にそこまで教える必要があるかどうかは別として、ジャックラッセルテリアのようにハイパーな犬種に尊敬される飼い主になるためには、犬に常に訓練の課題を与え「命令をする者・される者」の関係を保つことも大切です。飼い主と飼い犬の信頼関係は、人と犬が毎日散歩と訓練で楽しく過ごす中で徐々に培われていくものだと僕は思います。

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持来訓練が進むに連れ、ゲームは重く大きなものに、持ち帰る距離も徐々に伸ばして行く。マイロがくわえているのは、骨型の樹脂製のおもちゃ。小型犬では重いゲームを持ち帰ることで体力の消耗も速くなる。

 

持来訓練は犬が幼い内に始めた方が、安定して教える事ができます。持来と言う行為は、元々犬が祖先のオオカミから受け継いでいる「幼い仲間に獲物を持ち帰りたい」と言う本能からくる側面と、「儀礼的階級闘争」のひとつである「ゲーム(獲物)のひっぱりっこ=誇示行為」の側面もあり、ジャックラッセルテリアでは、後者の比率が高い様に見えます。そのため、持来に対するモチベーションを高く保つには、儀礼的闘争を犬同士が行う、社会化期から訓練を始めるのが良いと思われるのです。

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仲の良い犬同士なら、一緒に持来訓練の応用で遊ばせる事もできます。マイロは仮に他の犬が先にくわえたゲームでも、体当たりしたり、相手がくわえているのをもぎ取ったりして、最終的に訓練手にゲームを持ち帰るのはいつもマイロと言う例がほとんどだった。これが後に大変な事態に発展していく事に僕は気づかなかった。

 

持来訓練は以下の様な方法で行います。

持来訓練の準備:モッテとハナセを教える

  1. 犬にボールやフリスビーなど投げて持ち帰るゲームを、命令でくわえさせ、命令で放すように訓練する。これはゲームを返さない犬にも、ゲームを途中で落としてしまう犬にも有効。
  2. 犬にスワレを命じ、ゲームを手で持って生き物の様に動かす。最初は犬の首輪をもって抑え、犬がゲームに食いつこうとするのを抑える。
  3. 犬の「ゲームに咬み着きたい」と言う衝動が十分高まったところで、モッテと命じ首輪を持った手をゆるめ、ゲームをくわえさせる。
  4. しばらく犬とゲームを引き合い、犬の所有欲が高まったところで一拍おき、ハナセ(ダセ)と命じ、ゲームを放させる。犬が素直に放さない時は、耳に息を吹き込んで強制的に放させる。
  5. この訓練を、モッテでゲームをくわえ、ハナセでゲームを自在に放す様になるまで繰り返す。

持来訓練の準備:コイを教える

  1. 犬に対面でスワレ・マテを命じ、そのまま犬から5mくらい離れる。
  2. 犬が座るのに飽きた様子を見せたら、コイと命じ、大げさに手招きする様にして犬を呼び戻す。
  3. 犬が戻ってきたら、ヨシヨシ・コイと笑顔で大げさに褒める。
  4. コイですぐに戻れる様になったら、目安として7m以上離れた場所から、コイと呼ぶだけで、瞬時に犬が帰ってくる様になるまで訓練する。
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生後半年を過ぎたあたりで、マイロはテニスボールもくわえて持ち帰る事ができるようになりましたた。しかし、持ち帰ったゲームをすぐに放さないのは、子犬の頃からあまり変わりませんでした。

持来訓練:モッテ・コイとハナセを一緒に教える

  1. 犬を訓練手の左脚側に座らせ、ボール・フリスビー・訓練用のアレイなどのゲームを犬の目の前に投げ、モッテ・コイと命じる。
  2. 犬がゲームを追って飛び出したら、再度モッテ・コイと命じる。
  3. 犬がゲームをくわえて、どちらに行くか迷うしぐさを見せたら、モッテ・コイと繰り返す。ジャックラッセルテリアはリトリーバーではないので、ゲームをくわえた瞬間、持って帰る事を忘れてしまう犬もいるので、犬に命令を繰り返す事で強調する。犬側の理解では、ゲームをくわえたまま放さない事がモッテで、戻る事をコイで命令している事になる。準備訓練がきちんと入っていれば、犬はゲームをくわえたまま訓練手の元にかけて戻ってくる。
  4. 犬が足下まできたら、手を差し出してゲームを掴み、ハナセと命じる。ゲームを一旦背後に隠し、ヨシヨシ・モッテ・コイと犬を笑顔で褒め、犬が出来た事を大げさに褒め、必要ならご褒美を与える。
  5. モッテ・コイの訓練は、犬が疲れたり、集中力を欠いたりして、持来が不確実になる前に切り上げる。
  6. もう一度上手くできたら終わりにしようではなく、今はとても上手くできたから今日の訓練はこれで終わり、と考え、上手く行った訓練で、飼い主から褒められた記憶を犬に印象付けて終わりにするのがコツ。
  7. 距離は最初7m前後から始め、犬がすぐに投げられたゲームに追いつける範囲でだんだん距離を伸ばしていく。
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ジャックラッセルテリアでも絶対にかなわない相手も存在します。例えば持来訓練が入ったラブラドールリトリーバーは、テニスボール程度の大きさなら、口の中にくわえ込んで、訓練手の元に戻るまで、絶対他の犬に奪われない様に持ち帰る事ができます。まさにリトリーバーの面目躍如です。

 

この様にして持来訓練を教えておけば、飼い主さんは、時間が取れない時でも、短時間で繰り返し持来を命じるだけで、犬に必要十分な運動をさせることが出来ます。同時に持来はとても応用範囲が広い訓練ですので、興味のある方は是非訓練の課題に加えてください。

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